産後クライシス到来で、妻が夫に対してイライラしてしまうことってあるでしょう。妻の日常的な苛立ちから、夫もけんか腰になりがちです。しかし、お互いの苛立ちは「考え方を変える」ことと「言い方を変える」ことで驚くほど関係性が良くなるのです。この秘密を紐解いていきましょう!
産後クライシスとは
産後クライシスとは、出産後2~3年の間に訪れる夫婦危機を指しています。お互いの興味関心が子供に注がれてしまった、「育休中と勤め人」など夫婦間の不平等な状態というような些細な引っ掛かりが取り返しのつかないことになってしまうと指摘されています。
次に示すような事柄も産後クライシスの始まりかもしれません。
妻のイライラが引き金?
女性の場合、夜間授乳や夜泣きの対応で夜なかなか眠れないということもあります。また、赤ちゃんのお世話で出産前のように自由に出歩けなくなります。
スーパーマーケット以外のお店に行けなくなった、家族以外の人と話すことがなくなったというように生活の変化も生まれるでしょう。
また、出産後から妊娠前と同じ状態に戻るまでのホルモンバランスの変化もあり、イライラしてしまったり、赤ちゃんのことで涙もろくなったりすることも見られます。
単純に「イライラ」しているのではなく、生活のギャップやホルモンバランスの変化が影響していることを理解すべきです。
夫の「触らぬ神にたたりなし」の姿勢が引き金?
若い世代でも「俺は仕事をしてお金を稼ぐ人、妻は家事と子育てをする人」という考えを持つ人がまだまだ一定数いるのが現状です。ここで、夫はが育児参加せずに夫婦間の溝が生まれることがあります。
また、おむつ交換やお着替え、家事などを手伝おうとすると、ダメ出しされてしまう人も。ダメ出しされるくらいなら、触らないほうが良いと判断し、手伝うことをやめてしまう夫も少なくありません。
このように、「触らぬ神にたたりなし」の姿勢が妻のイライラを増長させてしまう悪循環にもなるでしょう。
男性と女性、そもそも考え方が違う!
産後クライシスに陥ると、夫婦冷戦のような状態が長引くことがあります。もともとの原因を探ろうとしても思い当たらないというような状況に、焦ってしまう妻もいることでしょう。
夫はイライラ妻の機嫌を取ろうと奔走しますが、火に油を注ぐ結果となることも。
もともと男性と女性そのものの考え方の基本が異なるので、お互いに歩み寄ろうとしているにも関わらず、平行線上にすれ違ってしまうのです。
軌道修正の考え方が違う!
男性と女性の考え方の違いは「脳の働き」がそもそも異なると考えられています。
夫婦ケンカをした場合、女性は「なぜケンカになったのか」を振り返り自分が悪いと思えば謝ります。反省の上で軌道修正を図るのが女性です。
男性の場合、「悪いことをしたから謝ろう」と振り返ることは少ないようです。「パートナーが好きなものを買っていけばそれで解決するさ」とすでに軌道修正後を想定し、スイーツや花などで機嫌を取ろうとします。
赤ちゃんにかかわることがケンカの原因の場合、スイーツを買ってこられても「なんか違う、そうじゃない」と思ってしまうのが妻側の気持ちですよね。
男性は空気が読めない
他人の心中を察することは男性もできます。しかしそれは「会社の中・仕事中の出来事」が主であり、「家庭内のこと」となると途端にそのセンサーが鈍ってしまいます。
子供時代から「母親が家庭を切り盛りしてきた」ことがインプットされているため、家庭では「お母さん(妻)に任せていれば大丈夫」といった制御が働いてしまいます。
子供がどんなに泣いていても、妻がどんなにテンパっていても気づこうとせず、テレビやゲームに興じてしまうのはこういったことが理由として考えられます。
女性は空気を深読みしすぎる
ではどうすればボタンの掛け違えがなくなるか
男性は、空気を読まずにただダラダラしているだけではありません。きちんと手伝う気持ちを持っていますが、妻に何も指示を受けていないから「子供が泣いているけれど、大丈夫なんだね」と結論付けます。
空気を読めない夫に手伝ってもらうにはどうするか、ずばり「声掛け」が大切なのです。「空気を読んで行動してほしい」はご法度!きちんと気持ちを伝えることで、育児を手伝ってくれる夫に変化しますよ!
理由とお願い事をワンセットにしよう
「先にご飯の用意を済ませたいから、赤ちゃんのおむつ交換してくれる?」
単純におむつ交換をお願いするにしても、「私が今おむつ交換をできない理由」もつけてお願いしましょう。たった、これだけで夫は立ち上がってくれるでしょう。
男性は、理論づけた細やかな指示があれば「自分が必要とされている」と認識できます。
ここまで言わなきゃダメなの?と憤ってしまう女性もいるかもしれませんが、今のうちだけです。赤ちゃんの生活パターンなどがきちんとインプット(プログラミング)されれば、言わなくてもしてくれるようになりますよ。
やさしい口調でお願いしよう
ケンカ腰になれば、相手もケンカ腰になります。これは夫婦間だけの問題ではありませんよね。お願いするためには優しく、丁寧な口調で伝えましょう。
夫の「わかった、いいよ」の後には、「ありがとう!」「助かる!」「お願いね!」という一言を添えると、さらに気持ちが伝わりやすくなります。
ダメ出しは最低限で!
ぎこちない抱っこの仕方でギャン泣きされた、おしっこやうんちが漏れてしまうような緩い紙おむつの当て方…。二度手間になってしまうのでダメ出ししたくなりますよね。
でも、全否定は絶対的にNGです。手伝ってくれたことは感謝しましょう。「こうするとやりやすいよ」というように、手直ししながら改善点を伝えてください。夫もゲームをクリアするような気持ちで「次は必ず!」と奮闘してくれます。
くれぐれも「こうしないとダメだよ」「これじゃダメじゃん」といった言葉がけはNGです。男性は自尊心の塊なので、否定語はストレスにつながります。ちょっとだけ言葉遣いも優しくしてみてくださいね。
「愛情表現」と脳内変換しよう
家事を完璧にこなせる夫もいれば、これまで全くかかわりを持ったことがない夫もいます。
ぎこちなくても、少しずつ見守っていきましょう。
ダメ出ししたくなっても、頑張ってくれていることを評価してください。
「ゴミ出しに行ってくれるのは愛情表現」「手際がぎこちなくても、私の依頼に応えてくれるのは愛情表現」と脳内変換をすることで、夫が愛しく感じてきますよ。
ちょっとの気遣いで夫婦円満に!
いい大人同士なのにきちんと伝えないといけないの?夫婦なのに気遣いしなきゃダメ?というような気持ちを持つ女性も見られます。
筆者もそうでしたが、「ありがとう!」「助かる~!」「やった!」など前向きになれる言葉を伝えるようになってからは、夫婦関係も前向きに進むようになりました。
男性は一度家事を覚え、自信がつくとどんどん参加してくれるようになりますよ!