産後の入院中から産後1~2か月ころまで母乳育児を頑張ろうと奮闘するあまり起こりやすいのが「乳頭亀裂」といった症状です。どんな時に発症するの?予防法や改善法はある?そんな質問にお答えします!これから出産に臨むプレママさんも必見の記事です。
授乳タイムが怖い!こんな経験した人いませんか?
産後すぐのままで、母乳で育てたいと躍起になって赤ちゃんにおっぱいをあげているけれど、突然の痛みでびっくり!という経験をしたママはいませんか?痛みの原因は乳首が切れてしまう「乳頭裂傷(にゅうとうれっしょう)」という状況。主に、乳首の付け根が裂けてしまうような症状です
乳首裂傷はツライ!
人によって裂傷の長さや深さは異なりますが、赤ちゃんが乳首を口に含むとズキズキ痛むし、おっぱいが張ってくると熱を帯び、傷口が開くように感じてさらに痛みが募ります。
もちろん、休ませれば裂傷も落ち着きますが、乳腺の張りは休ませることができません。また、赤ちゃんの命の糧でもあるため痛みを押して授乳しなきゃ…と悪循環に陥ることもあります。
筆者も経験がありますが、この痛みは出産のとき以上に痛かったように思えます。
どうして乳首が切れちゃうの?その原因を探ります!
乳首裂傷は、上の子の母乳育児が成功していても、母乳の出が良くても起こります。その原因を知ることで対処しやすくなります。
ご自身の状況と照らし合わせてみましょう。
赤ちゃんが乳頭だけを吸う
母乳は赤ちゃんが乳腺を刺激することで出てきます。そのためには、口を大きく開けて乳房をくわえる必要があります。生まれたての赤ちゃんはまだ上手に母乳を飲めない子もおり、乳房ではなく乳頭(乳首)だけをくわえて母乳を飲んでしまうため裂傷が起こりやすくなります。
乳首だけをくわえると母乳が出にくいので、いつまでも赤ちゃんが満足せずに乳首をくわえたままになってしまい裂傷の原因となってしまうのです。
赤ちゃんの口から乳首を外すタイミングが悪い
赤ちゃんは母乳を際限なく飲むことはしません。しっかり飲んで満足した場合や、母乳の出が悪くなったら自ら口を離します。
でも、片方のおっぱいだけではなく。反対側のおっぱいからも飲んでほしいですよね。そんなとき、ママが乳首から赤ちゃんを引き離すことがあります。でもまだ母乳を飲んでいるので、乳首が伸びてしまうことも。その結果、乳首が切れやすくなってしまいます。
これを繰り返すことで、裂傷が起こってしまうのです。
赤ちゃんがかみつく!
新生児ちゃんも歯の生えかけの赤ちゃんも遠慮なく乳首をかみつきます。筆者は新生児期にこれで裂傷を引き起こしました。あごの力が強い子だったのか、母乳が出なくて怒ったのか何度となくかまれました。
赤ちゃんの歯が生えかけの時期はまだまだママの母乳の分泌が盛んなので、注意したい状況です。
乳頭裂傷になったら、どうすべき?授乳はダメ?
乳首裂傷の痛みは、授乳時のみということが多いようです。また、赤ちゃんの抱っこの仕方を変えるだけで痛みをしのぐことができる場合も。血や膿が出ている場合などは避けたほうが無難です。
どうしても痛みが強くて赤ちゃんの授乳を避けたいという場合は、搾乳などでたまった母乳を排出しながら傷の痛みが落ち着くのを待ちましょう。
入院中などは、助産師さんなどに相談をしながら授乳方法を探っていきましょう。
傷ができてしまったらどうするべき?
まずは、感染症に発展しないよう、傷口は清潔に保ちましょう。また、出血やかさぶたができないように保湿をしながら傷口を保護してくださいね。もし傷口が腫れ上がったり、胸が張ったときとはまた違う熱を帯びているとき、黄色い膿が出てきた場合は、医師に相談をしてください。
おすすめ保湿グッズ
羊毛に付着する分泌物を精製した天然成分のラノリンを100%使用しています。皮膚を柔らかくする作用と、潤いを保ちながら皮膚を保護してくれるので、乳首裂傷の傷口も優しく保護してくれます。
つけた後もふき取る必要はなく、赤ちゃんの口に含ませて大丈夫です。
出産前から準備しておくとよいですね。乳首以外にも肌の乾燥が気になる部分につけられます。
覚えておきたい、赤ちゃんの授乳方法
【「ラッチオン」ってなんだろう?】 | 日本離乳食・小児食育学会より引用
赤ちゃんの授乳について、「ラッチオン」という正しい飲ませ方があります。赤ちゃんの口を大きく開けてアヒル口のような形にさせてから乳首に入れるという方法です。
赤ちゃんが吸啜(きゅうてつ)するときに乳腺を刺激してくれるので、よりたっぷり母乳を飲ませられる方法とも言えます。
ラッチオンの方法は、助産師さんに教えてもらいながら行うとよいでしょう。
都度粉ミルクも足してあげよう
なかなか母乳の分泌が少ない、赤ちゃんの飲む量が多いという場合は粉ミルクをわずかでも足してあげる方法もあります。赤ちゃんのおなかを満たすことで、乳首をなかなか離さない、乳首をかみつくという事案を減らすこともできます。
ミルクの足し方などは、助産師さんに相談をしながら、体重の増え方を見て足していきましょう。
裂傷を防いで、快適な母乳育児を!
母乳育児がうまくいく人もいれば、裂傷や乳腺炎、そのほかのトラブルでうまくいかないこともあります。裂傷は赤ちゃんのラッチオンの姿勢や、飲む量などを気遣うだけで予防できます。助産師さんや産科医と相談をしながら、赤ちゃんとの母乳タイムを過ごしてくださいね。
また、裂傷を保護してくれるオイルクリームもあります。赤ちゃんにも使える優しいものなので、適宜使ってケアしていきましょう。